レイコとシンジ-WHIP AFTER WHIP-前編- 2

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礼子たちは料理の腕も、意外なほど上手かった。ほんの30分程度でかなりのものを用意してしまった。傍目でみながら、慎治は(どうせ、俺たちは床にでもはいつくばらされて残飯でも漁らされるんだろうな)と、半ばあきらめながら予想していた。「さあ、できたわよ、みんな食べましょう!」礼子の声に4人がテーブルに着いたが、慎治たち二人はどうすればいいか、考えあぐねて立ちすくんでいた。「なにボケッとしてるのよ、さっさと座ってよ、食べられないじゃない!」玲子の声にビクッとしながらテーブルを見ると、なんと慎治たちの分まできちんと用意されていた。不思議に思いながらも、食事が始まった。玲子たちの料理は正直、とてもおいしかった。金に余裕があるからいい材料をふんだんに使っている、というせいもあるが、それを差し引いても、見事な腕だった。「どう、慎治、おいしい?どうせ、私たちの料理なんてカップラーメン専門、とでも思っていたんじゃない?少しは見直した?」玲子の言葉に思わず、慎治は素直にうなずいてしまった。「は、はい、、、本当においしいです・・」「そう、良かった。しっかり食べておいてね。この合宿中、しっかりと食事はさせてあげるからね、そこは安心していいわよ。」だが、その後がいけなかった。「だって、日中はフルに私たちのおもちゃになってもらうし、夜は良治先生たちにたっぷりと可愛がってもらうんだから。体力いるわよー、せめて食事くらい、きちんととらなくちゃ、体が持たないわよ。途中でダウンされたら、興ざめだものね。」おいしかった食事が、一瞬に砂のようになり、胃のあたりがズシリと重くなってくる慎治たち二人だった。そして翌朝、礼子は事前に隣接する高原の小さな体育館を予約していた。大学のテニスサークル全盛時代、日本中あちこちの高原にたけのこのようにペンションができ、テニスコートが作られた。スキーがメインの白馬でも例外ではなかった。あちこちに夏の合宿目当てにテニスコートができ、多くの民宿やペンションがミニ体育館も併設した。折からのバブル景気が拍車をかけ、テニスコートや体育館は膨張を続けた。だが、そこにバブル崩壊と少子化が重くのしかかっていた。流石に全国ブランドである白馬自体はそこそこの集客を保っていたが、隣接する高原群はそうは行かなかった。多くは夏は閑古鳥が群れをなして鳴きまくっていた。礼子はそういったミニ体育館の一つをテニスコートつきで一週間、借り切っていた。

広いスペース、各種の道具、周囲の道路から離れ、人目につかないテニスコート、なんでもできるフリースペースだった。礼子はこの体育館周辺で、拷問の限りを尽くすつもりだった。亮司たちのランクルに送られてきた四人が入ると、体育館の中はきれいに清掃されていた。ちょうどバスケットコート一面プラスアルファの広さであり、用具倉庫、トイレ、シャワールームが付いていた。サイドにはネット等をつるすため、四方に高さ3メートル程度のところに渡り廊下があった。そして渡り廊下の下には無骨な鉄パイプが張り出しており、物を吊るせるようになっていた。真ん中の天井には、機械体操用の吊り輪まで用意されていた。さらに一角には昔懐かしい、小学校の体育館でお馴染みの肋木もあった。「いいじゃない、ここ。天井も高いし、広さも手頃ね。あのパイプや肋木に吊るしてもいいし、体育館中追いまわす、っていうのも楽しそうじゃない?」玲子はすっかり盛りあがっていた。外のテニスコートにでると、隅の方に整備用具がおいてあった。その中に、大きなグラウンドローラーまであり、重そうなコンクリートの円柱に鉄の引き具が取り付けられていた。また、資材運搬用のリヤカーも2台あった。「玲子、このローラーやリヤカーも使えそうじゃない。こいつらを馬車馬にして、思いっきり引かせてやろうよ」「いいじゃん、それ、私と礼子でこいつらをそれぞれ馬にして、レースなんかもできそうじゃん!」慎治たちにとって、これだけで拷問の予告であり、精神的に十分な苦痛であった。オフシーズンのスキー場など、本当に閑散としている。虫の声はうるさいほどであったが、人間の声は微かに遠くからテニスサークルらしい嬌声が聞こえる程度であった。慎治たちが拷問に絶叫しても、誰にも聞こえそうになかった。「さあ、始めようか」四人が体育館に戻るや否や、玲子たちはいそいそとバッグを開けはじめた。何本ものロープ、手錠、足枷が出てきた。そして、礼子が開けたバッグからは慎治たちにお馴染みの拷問具が現れた。長めの、先端がへら状になった乗馬鞭。そして二人の一番のお気に入り、黒光りする長い一本鞭が現れた。皮鞭は使い始めは硬く、使いにくい。だが、使っていく内に拷問者の手に馴染み、更に鞭自体も犠牲者の血と脂汗を吸い、よりしなやかに、より強靭になっていく。一学期にわたり慎治たちを何千発も打ち据え、たっぷりと慎治たちの悲鳴と苦痛を吸収してきた鞭は十分に使い込まれた鞭特有の、魔性を発散させていた。今ではこの鞭を見るだけで、たっぷりと打ち据えられた苦痛と屈辱がリアルに甦り、慎治たちは卑屈な受刑者に成り下がり、抵抗も逃亡もできなくなるほどだった。玲子たちは二人とも、黒のタンクトップにアーミー柄のショートパンツと軽装だったが、体育館履きの代わりに、バッグから長い乗馬ブーツを取り出した。長身で脚、特に膝下が長い二人のブーツはオーダーメイドで、丈が普通のブーツよりかなり長く、170センチ近い長身の玲子たちが履いても膝の直ぐ下まで来る長さだった。玲子たちがブーツを履いただけで、いつもと違う玲子たちのテンションの高さが伝わってきていた。玲子たちの興奮は慎治たちの恐怖と対をなしていた。「玲子、最初はどう行こうか」「やっぱり、せっかく広い体育館だもんね。天井や壁に当るんじゃないか、なんて気にしないで思いっきり鞭を振るってみたくない?私、慎治のことを体育館中、鞭で追い回してやりたいな!」「いいわね、じゃあ、玲子が先責めで慎治のことをたっぷりと苛めてやってよ。その間、こっちは玲子の鞭をたっぷりと見物させてもらうわ。そうすれば、矢作は自分がどんな目に会うか、たっぷりと想像して楽しめるじゃない。」「天城も意地悪ねえ。でも、そのアイデアいいわ。じゃあ、遠慮なく先攻で行かせてもらうわね。慎治、こっちにおいで!」

玲子は怯える慎治を体育館の中央に引きずり出すと両手を後ろに回させ、ガチャリと手錠をかけた。鎖の長さが殆どないタイプの手錠だった。更に足も、30センチ程しか鎖がない足枷をかけられた。準備を終えた玲子は床から愛用の一本鞭を拾い上げ、柄の皮輪に手首を通しながら慎治に近づいてきた。「さあ、準備はできたわ。慎治、覚悟はいいわね?ここならいくら大声を張り上げても構わないからね。」玲子が折り曲げた鞭で慎治の胸を軽く叩きながら、刑の執行を宣告した。慎治は余りの恐怖に膝がガクガクしてきた。立っているのも困難なほどだった。「なによ、まだ私、一発も叩いてないじゃない?そんなんじゃ先が思いやられるわよ!」玲子は軽く慎治の頬を打つと、ゆっくりと数歩下がり、間合いを取った。ヒュンッ!!玲子が鞭を鳴らし、床を打った。慎治の足元の床がビシッッと鋭い音を立てた。慎治がビクッと体をすくめるのを横目に玲子は更に数発、床を打ち間合いを調節した。そしてシュルッと鞭を宙に一回転させ先端に近い方を左手で掴み、全身を大きく引き絞った。「行くわよ、慎治・・・ハッ!」玲子の発した気合と共に、腕と一体化し、大きくしなった鞭が黒い蛇のように宙を舞い、慎治の脇腹から背中に絡みついた。鞭が宙を裂く音と共に慎治の体がビシッと乾いた音を立てた。「ヒッ!」慎治の悲鳴が消えやらぬ内に鞭は玲子の手元に繰り戻され、再び宙を舞い、慎治に襲いかかった。慎治の悲鳴が体育館中にこだました。襲いかかる鞭から少しでも逃げようとした慎治は足枷にバランスを崩し、両手を固定されているため受身もとれないまま床に倒れこんでしまった。立ち上がろうにも両手を固定されているためもがくのが精一杯だった。床でもがく慎治に玲子がゆっくりと近づいてきた。

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