GIMICさんの作品「Toy Boy」【15 歓喜】
陽一はようやく紗枝に追いついた。しかし、紗枝は陽一に目もくれずに歩き続けた。
(なんだか声をかけづらいな…。あんなにがんばったのに、まさか失格?)
しばらくの間、無言で二人は歩き続けた。陽一がたまらなくなって紗枝に声をかける。
「さ、紗枝ちゃん…。あの…」
「なによ。」
紗枝はあいかわらず陽一の方を見ようともしない。しかし、陽一の不安げな表情を想像して紗枝は思わず少し笑いそうになった。それをぐっとこらえて、紗枝はわざと冷たい声を出した。
「何か言いたい事でもあるの?」
「そ、その…。テストのことなんだけど…」
「合格か不合格か知りたいわけ?」
「う、うん。」
(どうしようかなぁ。下着取る時、後ろを向いたのは減点だし、聡美におちんちん踏ませようとしたのはちょっと許せないし。でも、一応命令は聞いたわけだし。)
「合格」と言って陽一の仔犬のような喜びようを見たい気もした。
でも、聡美に踏ませようとした事が気に食わないのも事実だった。
「陽一君、パンツ脱ぐ時、後ろ向いたでしょ。」
「あ、は…い。」
「あれは減点よ。」
「ごめんなさい。恥ずかしくてつい…」
「まあ、それは許してあげてもいいけど…」
「ほ、ほんと?」
「でも。聡美に金玉蹴られた時、陽一君何してたの?」
「え?え?何って…?」
陽一がどきまぎしている。
(やっぱりね…)
「何したか正直に言ったら、考えるけど、言わなかったら、不合格よ。」
「あ、あの…。あの…ご、ごめんなさい。」
「ごめんなさいじゃ分からないよ。何したの?」
「そ、その…足を…開きました。」
「何のために?」
「聡美ちゃんが…」
「聡美がどうしたのよ。陽一君が足を開くのと聡美とどういう関係があるのよ。」
「あの…聡美ちゃんが…ぼくのあそこを踏んでくれそうだったから…その…開きました。」
「今朝私に言ったことは、また、うそだったんだね。」
「ち、ちがうよっ。違いますっ。で、でも…紗枝ちゃんが…紗枝ちゃんがしてくれないから…つい…」
「へえ、私がしなかったら、聡美でもいいわけね。よくわかったわ。」
「あ、あの…、紗枝ちゃん…」
「陽一君の家はあっちでしょ?じゃあね、ばいばい。」
「あ、待って。待ってよぉ…」
陽一は紗枝を追いかけ、何度も謝ったが、紗枝は取り合わない。
(あぁ、ばかばかばか。ぼくはなんてバカなんだ。なんであんなことしたんだよぉ。あんなことしなければ、合格だったのに!!)
何とかして紗枝に許してもらわなければ…。学校中に自分の変態行為がばらされるかもしれないという不安より、紗枝との関係が これで終わる事の悲しさの方が陽一に取っては大きかった。
陽一はふと辺りを見回して付近に誰もいないのを確認した。
辺りは新しく住宅を分譲するために造成工事が始まったばかりの地区で人通りは少ない。
(いや、誰かいてもかまうもんか…)
陽一は紗枝の前に回り込むと地面に平伏した。
「紗枝ちゃん、本当にごめんなさい。もう絶対にあんなことしません。第一、あんなことしても紗枝ちゃんにしてもらわないと絶対 満足できないんです。ど、どうか…許して…ください。これからは、 紗枝ちゃんの言うことだけ聞きます…。」
「そうやって謝れば、許してもらえると思ってるわけ?」
紗枝は、陽一の頭を足で小突いた。
(でも、これは何度やっても気持ちいい…)
陽一を見下ろしながら、紗枝は思案した。陽一を許すとか許さないとか言う問題ではない。紗枝には陽一とのこの関係を今すぐ終わりにするつもりは全然ないのだ。今からどんな風に陽一をいじめるか、それを思案しているのだった。とにかく無性にいじめたい気分だった。
(やっぱり、しつけは必要よね。飼い主が誰なのかはきちんと仕込んでおかないと)
拾って来た仔犬のイメージを陽一に感じている紗枝は、ペットのしつけと陽一を虐める事をだぶらせていた。そして、「犬」からあることを思いついた。
「お、おねがいですぅ…。もう絶対あんなことしません。」
「信じられないな。陽一君、いつもウソばっかりだから。」
「さ、紗枝ちゃん…う、う…」
「じゃあさ、ほんとに陽一君にその気があるのかどうか試してあげるよ。ついてきて。」
「あ…」
紗枝はそう言うと造成地の方へと歩き始めた。陽一はあわてて立ち上がると紗枝の後を追う。紗枝は造成地の奥へと入り、残土を積み上げた小山の裏へ向かっていた。
残土の山の背後に小さなスペースがあった。回りは雑木林だった。
紗枝はその空間のまん中あたりで立ち止まった。
(ここなら誰にも見えないよね。)
そして、今度は地面を見回すとちょうどいい場所を見つけた。
残土に雨が流れた時にできた溝だった。紗枝は自分の思いつきにすでに興奮していた。微かに頬が赤い。
「陽一君、こっちに来て。」
言われるままに陽一は紗枝のそばへとやってきた。
「その溝の中に寝転んで。」
「こ、ここに?」
何が起こるのか分からないまま、陽一は溝の中に身体を横たえた。
そして、溝の中から不安げに紗枝を見上げる。
「陽一君は私のペットになる気ある?」
「あ、あります。」
「ペットはね、飼い主の言うことを全部聞くの。聞かないペットは捨てちゃうよ。」
「さ、紗枝ちゃんの言うことは何でも聞きます。だ、だから…捨てたりしないで…ください。」
「陽一君は犬みたいだから、飼い主の匂いを覚えなきゃね。」
「に、におい?」
「私の足の匂いはもう覚えたよね。」
「は、はい…」
「でも、それだけじゃあ、まだ聡美と私を間違うみたいだから、
もっとしっかり匂いを覚えなきゃ。」
「え?」
紗枝が何を言っているのか陽一にはまだ分からない。
「陽一君…。おしっこ飲める?」
紗枝は、胸が高鳴るのを感じた。陽一の前で排泄行為をするのは少し恥ずかしい気もしたが、「飲ませる」快感が羞恥心を上まわった。
「お、おしっこって…。さ、紗枝ちゃんの?」
(いくら紗枝ちゃんのだって、おしっこ飲むなんて…)
紗枝に嫌われたくない一心でここまでついてきた陽一だったが、排泄物を飲めと言われてさすがに躊躇した。
「そうよ。全部飲んだら、今日のテストは合格にしてあげる。」
紗枝は早くも陽一の顔面に排泄物を浴びせる様子を思い描き、サディスティックな快感を覚えていた。陽一が内心嫌がるだろう事も、そして、それでも最終的に受け入れるだろう事も予想済みだったのだ。
(おしっこ飲むなんてやだけど…、でも、それで合格なら…)
陽一の逡巡はそう長くは続かなかった。
「…飲みます。」
「そう。じゃあ、目を閉じて。」
どきどきどき…。紗枝の胸が羞恥と快感でさらに高鳴る。
もう一度辺りを見回し、誰もいないのを確認すると紗枝は制服の短いスカートの中に手を差し入れるとするりと下着を下ろした。
そして、陽一の顔の辺りを跨ごうとしたが、足に絡む下着が邪魔になる事に気づいた。それに陽一に下着を見られるのも嫌だと想い 下着を足から抜き取ってポケットの中に収める。
紗枝はあらためて陽一の顔を跨いだ。
「目は開けちゃだめよ。」
「は…い。」
紗枝はゆっくりとその場にしゃがみ込んだ。
(男のコの顔の上に跨るなんて、なんか変な感じ…)
陽一が微かに震えているのを見ながら、紗枝はそう思った。
紗枝の両足のつけ根には蜜をたたえた美しい花が咲こうとしていたが残念ながら目を閉じている陽一には見えなかった。
「口を開けないと飲めないでしょ。」
「は、はい…」
(あ…、あ…)
陽一は口を開いたが、身体が小刻みに震えるのを止める事ができなかった。紗枝の言うことは何でも聞くと心に決めてはいたが、 排泄物を飲む事にはやはり抵抗があった。
紗枝は陽一が必死に耐えている様子を眺めて楽しんでいた。
(いつ、おしっこを顔にかけられるか分からないからびくびくしてるのね…ふふ)
「ねえ、私のおしっこ飲むのってどんな気分?」
「あ…、あの…」
「ほんとは嫌なんでしょ。おしっこなんて飲むの。」
「あの…、ほんとはやだけど…。紗枝ちゃんが飲めって言うなら…飲み…ます。全部、飲みます。」
「ふ~ん、じゃあ、飲んで。」
と言ってはみたものの、人の口の中に排泄するのは当然、紗枝にとっては初めてのことで、緊張からかしばらくの間、力んでも 尿は出てこなかった。
そこで紗枝はこう考えた。
(人間じゃなくてトイレにしてると思えばいいんだわ。陽一君は人間じゃなくてトイレなの。どうってことないわ。)
すると、すっと身体の力が抜けた。
その直後、陽一の顔面に温かいものが降り注いだ。
「あふっ…あ…」
陽一はあわてた。陽一は、自分の口の中に直接、紗枝の尿が注ぎ込まれるんだと何となくイメージしていたのだが、顔中にまるで シャワーのように降り懸かって来たからだ。
(全部、飲まなきゃ…)
口を大きく開け、なんとか全てを受け止めようと顔を動かすが、なかなかうまくはいかない。すぐに陽一の顔は尿まみれになり、流れ落ちた尿は髪までずぶ濡れにしていった。
顔中に尿を浴び、その匂いに包まれながらも、陽一は自分が汚されているとは思わなかった。紗枝に包み込まれているような 錯覚すら覚えていた。
(ああ…、紗枝ちゃんのおしっこ…)
わずかに口の中に飛び込んだ尿は少し苦かったが、陽一は必死でそれを飲み込んだ。排泄物に対する抵抗が 心の片隅には依然として残っていたが、紗枝の体内から出て来たものなんだと思うと紗枝との一体感が感じられた。
(これで…ぼくは紗枝ちゃんのものなんだ…紗枝ちゃんの…)
陽一が降り注ぐ尿を顔中に浴びながら、少しでも口に入れようともがく様子を上から見下ろしながら、紗枝は身体の芯が熱くなるようななんとも言えない「支配する悦び」を感じていた。
排泄を全て終えた爽快感と陽一を完全に支配下に置いた満足感から紗枝は小さなため息をついた。
紗枝は立ち上がると、排泄の後始末を陽一にさせようかと一瞬思ったが少し恥ずかしい気がしてやめた。そして、自分で後始末をしようとした時 紗枝はその部分が尿以外のものでぐっしょりと濡れているのに気づいた。
(あ…、こんなに…)
「さ、紗枝ちゃん…」
溝の中から陽一が呼びかける。
「ちょっと待って。」
紗枝はあわてて下着をつけ、スカートの乱れを直した後、辺りを見回して誰も今の出来事を見ていなかった事を確認すると陽一の側に戻った。
溝の中で陽一はまだ律義に目を閉じたまま横たわっていた。
顔中に尿の飛沫が飛び散ってきらきらと光っていた。髪の先からも滴が落ちている。排泄物に塗れた哀れな姿だったが、紗枝には何となく愛おしく感じられた。
「もう目を開けていいよ。」
「は…い。紗枝ちゃん、紗枝ちゃんの言ったとおりに全部は飲めなかったけど。でも、がんばったんだ。ゆ、許して…もらえますか…?」
紗枝の胸がまたきゅんとなった。
(おしっこまで飲んだんだから、もう陽一君は私一人の物なんだわ。)
紗枝の返事がない事に陽一はいっそう不安に駆られた。
「紗枝ちゃん。ぼ、ぼくは紗枝ちゃんなしではだめなんだ。お願い、不合格だなんて言わないで…ぼく、ぼく…」
「いいよ。合格にしておいてあげる。」
「ほ、ほんと!?」
陽一の表情がぱっと明るくなった。陽一は溝の中で飛び跳ねるようにして身体を起こし、一瞬、紗枝の言葉をかみしめるようにうつむいたかと思うと、濡れた顔を拭う事さえせずに紗枝の方を向いた。
「よかった…、ぼく…ぼく…うれしい…です。」
そう言いながら陽一はその場に座り込み頭を下げていた。
そして、今度はもっと紗枝の足元に近いところへ行こうと身を乗り出した。
「紗枝ちゃん…ぼく…ぼく…」
「ばかっ。そんなおしっこまみれで近寄らないでよっ。」
「あっ…。ご、ごめんなさい。」
紗枝の言葉は、それほど語気の強いものではなかったが、一瞬にして陽一の表情が曇る。
雨の日に捨てられた仔犬がずぶ濡れになりながら、側を通りかかった人に「クゥ~ン」と弱々しく鳴いている…そんな光景が陽一の姿とだぶって見えた。
(私はその仔犬を拾ってあげた優しい女の子ってわけね、ふふ)
<つづく>
