GIMICさんの作品「Toy Boy」【14 閉塞】
「だめだよ、聡美。罰を与えてるのに気持ちよくなるようなことしちゃ。」
陽一のような性癖の持ち主についてまったく知らない聡美は、足でイケる、は冗談で言ったつもりだったので、紗枝の真面目な返答にやや驚いた。
「え?そうなの? マジでこれでいっちゃう?」
「そうよ、こういう変態くんはそうなのよ。だめだめ。」
(射精しちゃったら面白くないわ。)軽い嫉妬心による怒りと、この楽しみをもうすこし持続させたいと思った紗枝は、フトいい「アイディア」を思いついた。
(そうだ、おちんちんの根本を縛っちゃえば出ないんじゃないかしら。中は管になってるわけだし)
「ねえ、聡美。紐みたいなのない?」
「リボンならそこの引き出しにあるけど?なにすんの?」
「ちょっと貸して、リボン」
「うん」
紗枝の少しきつい口調に、聡美は思わず陽一のペニスから足を下ろし、机の引き出しからリボンを出しに行った。
「はい、これ。」
「ありがと。」
紗枝は身を屈め、受け取ったリボンで陽一のペニスの根本を縛り始めた。
(な、何をするの…紗枝ちゃん…)
「こうしておけば、いきたくてもいけないでしょ?」
最後にリボンを結ぶ手に思わず力が入った。
(あ、痛っ…)
「ぷっ。そりゃかわいそう~。」
紗枝は冷たい笑みを浮かべながら、足をペニスに伸ばした。
「ほら、気持ちいいですって言ってごらん。」
「あ、あ…」
「ほら、早く言いなさいよ。こうして欲しかったんでしょ?変態の陽一君。」
「あ…、気持ちいいです…」
(ああ、やっと紗枝ちゃんに踏んでもらえた…合格なんだ…)
そう、思った瞬間全身にびりびりと快感が走る。しかし、もちろん射精はできない。いや、本当は射精しているのだ、陽一の睾丸からはすでに 精液が送り出されているのだ。しかし、ペニスから放出できないのだ。
それは射精できないよりも苦しい状態だった。何ともいえない閉塞感に陽一が身もだえしている。
陽一はようやく根本を縛られた意味を理解した。
(あ…、あ…そんな…)
紗枝が足に力を込める度にびりびりと快感が走るのに射精できないのは辛かった。
「お、お願いです…、出させて…あ…」
思わず、声に出して紗枝に懇願する。
「だめよ。」
反論は受けつけないという意志を込めて紗枝がピシャリという。
そう言いながら、紗枝はなおも陽一のペニスを踏みにじる。紗枝の足の下で捩れているペニスは血流が止まったせいもあって、赤黒く変色し 始めていた。勃起しているというよりも腫れ上がっているように見える。
「すごい色になってるよー、だいじょうぶなの? ちぎれちゃうんじゃない?」
聡美が紗枝の足の下に見える陽一のペニスを覗きこむ。
「ちぎれちゃったっていいんじゃない? これがあるから陽一くんはあんな変態なことするんでしょ」
「あはは、紗枝、恐いこと言う~」
聡美は紗枝のちょっとおどけた調子の答えに笑うと、再び興味深そうな視線を陽一のペニスに戻した。珍しい光景に目が離せない。
自分のアイデアが思いのほか効果を表わしている事に紗枝は気を良くしていた。縛ったせいでなお固さを増したペニスの感触も愉快だ。
(パンパンになってズキズキ脈打ってる。やっぱり縛ると出せないのね、ふふ)
紗枝は足の力を少し抜くと愛撫と言ってもいいほど優しくペニスを足の指で撫でさすった。
(出せないのに気持ちよくなるとどうなるのかしら?)
「あ、ああっ…あっ、お、おねがい!!紗枝ちゃん…もう、許して…」
紗枝の足の動きに合わせて虚しく腰を振りながら、陽一は泣きべそをかいていた。
「へえ、気持ちいいのに出せないのってそんなに辛いのね」
聡美が感心したような声でいう。珍しい動物の生態を知ったみたいに。
紗枝が陽一を見下ろして言う。
「何を許して欲しいの?」
「あ、あ…、リボンを…外して…く、ださい。」
「リボンを外して何するの?」
「ああ…出させて。出させてくださいぃ…」
「ふぅん、じゃあ解いてあげる。」
紗枝はペニスから足を下ろし、あっさりとリボンを解いた。
(あ…、助かった…。やっと…)
ペニスからはどろりと白濁したものが流れ出た。
紗枝は目に涙を浮かべながらも、期待を込めてこちらを見つめる陽一から視線を外すと聡美に向かって言った。
「これでちょっとは反省しただろうから、これくらいで許してあげようか、聡美。」
夢中になって観察していた聡美は紗枝の声で我にかえった。
「あれ? これで終わり? なんかあっけない~」
「ふふ、聡美はまだ続けたそうね。」
「え、そんなわけじゃないよ、やだな、紗枝。」
聡美が照れて笑う。
「だいぶ時間も経っちゃったし、また今度遊ぼう。罰が足りないようなら、いつでも陽一くんは呼び出せるわよ。」
(え?さ、紗枝ちゃん…そんな…)
陽一は思わず紗枝に何かを言おうとしたが、結局、言えなかった。
床に転がったまま、ただ悶々としているだけだった。
「じゃ、私帰るね。」
「え、まだいいのに」
「うん、ごめん、今日はちょっと他にも用事あるんだ。」
「そうっか。それじゃ、しょうがないね。」
聡美も何だか拍子抜けしたような表情だった。
「ほら、陽一君、いつまでそんな恥ずかしい格好でいるつもり。帰るよ。」
その声に陽一はあわてて身体を起こした。
「ま、待って。紗枝ちゃん。」
もがくようにして両手の拘束を解き、ペニスからはまだ精液の残りを滴らせながら、陽一は急いで服を身につけ始めた。身仕度が終わった時、紗枝はもう玄関の方へと立ち去っていた。
「じゃあ、また明日。また、遊ぼうね、ふふ。」
意味ありげな笑みを聡美に投げかけて紗枝は出ていった。
「さ、聡美ちゃん、今日はごめんね。ぼ、ぼく…い、いやあの…、あ、紗枝ちゃん。ごめん、さよならっ。」
言葉にならない言葉を残して陽一も紗枝の後を追って部屋を出ていった。
「はぁ…」
ため息をひとつついてから、聡美は気持ちを切り替えるように身体を伸ばした。
(なんっか、気がついたらすっごいことになってたって感じ。でも、なんかいいモン見せてもらったかも。くす)
とにかく明日も学校に行くのが楽しそうだなと聡美は思った。
