GIMICさんの作品「Toy Boy」【10 告白】
翌日、陽一は教室で紗枝が来るのを待ち望んでいた。一方、紗枝は昨日の続きをどうしようかと考えながら、教室に入って来た。
(あ、紗枝ちゃんだ。)
まだ、声すらかけられていないのに陽一の胸がときめく。
教室に入るなり、陽一の視線を感じた紗枝は彼の様子が昨日までとは少し違うことに気づいた。
(あれ?変ね。昨日までは私が入って来たら、視線を逸らしてたのに。)
確かに陽一はまっすぐに紗枝を見たりはしなかったが、ちらちらと紗枝の様子を窺っている様子だ。
(ふふん)と紗枝は心の中で笑った。陽一は紗枝に変態行為を強要されるのをあきらかに喜んでいる。紗枝にはすでに確信ができあがりつつあった。
陽一の反応、行動が読めるようで面白かった。
(ちょっと試してやろうかな)
と紗枝は思った。ちょっと考えてからツカツカと陽一に歩み寄ると、陽一の耳元で囁いた。
「昨日の場所に先に行ってて。それで、あの場所でズボンも下着も脱いでおくのよ。それから、陽一君の好きなあの格好は下着を使ってもできるよね。 あの格好になってて。上は着ててもいいよ。」
「さ、紗枝ちゃん…」
「いやなら、いいよ、別に。じゃあ、今から5分後に行くから。」
紗枝は陽一の返事を待たずにさっさと立ち去ってしまった。
紗枝の後ろ姿を見送ると陽一はすぐに立ち上がると早足で屋上へ向かう階段の踊り場へと向かう。なぜか足取りが軽い。
踊り場につくと辺りを窺い、人の気配がしないのを確認してから、陽一はズボンとブリーフを脱ぎ捨てる。そして、ブリーフを使って両手を後ろに拘束した。見る見るうちにペニスが勃起する。今から紗枝にこの恥ずかしい姿を
見られるんだ。胸がときめいた。しかし、ふと急に不安が持ち上がって来た。
紗枝ちゃんは一人で来るんだろうか…。誰かと一緒に来るとは確かに言ってなかったが、一人で来るとも言っていない。まさか、聡美ちゃんと来るなんて ことはないだろうか。あれほど胸を高鳴らせていた陽一だったが、それは困る と思った。
(あ、もう5分経ったわ。陽一君の恥ずかしい姿を見に行かなくちゃ。)
紗枝は学生鞄の中に手をつっこんでデジカメを掴むと、合格をあらかじめ知っている試験の結果を見に行くような、わくわくした気持ちで階段を上って いった。
紗枝を待つ1分はとても長く感じられたが、階段を上がってくる足音が聞こえて来た。陽一はぎくりとした。足音は一つだった。でも、紗枝ちゃんとは 限らない。陽一は壁にへばりつくようにして身動き一つせずに足音を聞いていた。
「あはは! やっぱりちゃんと来てたわね!」
「う…ん」
紗枝の声であるのを確認してから、陽一は紗枝の方へ身体を向けた。
「あらあら、朝から恥ずかしい格好をして、ふふ。よくそんな格好で女の子の前に堂々と出て来れるわね。私は来たくないなら来なくていいっていったのにね。」
紗枝の前で恥部を晒すのに少し抵抗はなくなっていたが、決して慣れたわけではない。その証拠に、紗枝の一言で体がかぁっと熱くなる。
「で、でも、紗枝ちゃんが…」
あの写真を持っているかぎり、僕は逆らえないに決まってるじゃないか、
と陽一は言おうとした。でも、ここへ自分が来たのは紗枝の脅迫によるものだけではない、とうすうす感じていた陽一の言葉ははっきりとは続かなかった。
「なあに言ってんの? 人のせいにしないでよ、そんなに勃起させてるくせに」
「ご、ごめんなさい…」
「あら、なんか今日は素直だね。まあ、いいわ。用事をすませないと。」
「用事?」
「そうよ。聡美から催促されてね。あの変態君の写真は他にないのかって。」
「え、じゃ、じゃあ…」
「そう、今から撮影会よ。ほら、こっち見て。」
紗枝の手にはあのデジタルカメラが握られていた。
パシッ。踊り場にフラッシュが反射する。紗枝の言うとおりのポーズを取りながら、陽一はカメラの前で痴態を繰り広げた。
踊り場の床をあの写真と同じように舐めているポーズ。階段の手すりにペニスを擦りつけているポーズ。床に這いつくばっている所を背後から…
「これくらいでいいかな。この中から一番きれいに撮れてるのを聡美に送ってあげるからね。最後の写真なんかいい感じよ。お尻の穴まできれいに 撮れちゃった。」
「さ、紗枝ちゃん…恥ずかしいよ…」
そう言いながら、陽一のペニスがひくひくと動いている。
(ひくひく動いてるおちんちんが仔犬が尻尾振ってるみたいで面白いわ。)
「モザイクをもう少し緩くして上げようか。聡美がいつ気づくか楽しみじゃない?」
「聡美ちゃんに、知られるのは…やだよ。で、でも…」
陽一の様子がやっぱりおかしい。
「でも、なによ。」
「紗枝ちゃんが、それで楽しいのなら…」
紗枝はやや驚いて聞き返した。
「私が楽しいのなら、聡美にばらされてもいいって言うの?」
一瞬の躊躇の後、陽一が小さく頷いた。
(やっぱり変態だ)
と、思うと同時に屈折した愛の告白を受けたようで紗枝の胸はちょっとキュンとなった。普通の愛の告白なら紗枝もその場で素直に喜ぶなり、迷惑だと断るなりするのだろうが、これは、ちがう。
(これはちがうわ)
ただ、妙に嬉しい気がするのは確かだった。不思議なのは、陽一を可愛いと思う都度、自分の中にさらにサディスティックな欲望がわいてくることだった。
しかし陽一が喜んでいることに確信を得ていたその欲求を止めるものは紗枝の中にはもう何もなかった。不思議な自分の気持ちに素直に従う。
「ふ~ん、じゃあ、学校中にばらしてもいいってわけね、そうでしょ?」
「あ、違うよ。そうじゃなくて…」
「な~んだ。やっぱり前と変わってないじゃない。忘れてるのかも知れないけど私の言うことを聞かなかったら、陽一君がいやがっても、どうせみんなに ばらすんだからね。」
「う…ん、そうだったね…。仕方ないよね。」
紗枝は、言葉を続けられなかった。予想と違う反応だったから。
(へぇ、ほんとに私の言いなりになるつもりなのかな?)
「じゃあ、今日はもう行っていいよ。せいぜい、聡美に気づかれない事を 祈ってるのね。」」
(も、もうおわり…?)
陽一は思わず、口を開いた。
「紗枝ちゃん、待って…」
「ん?なによ。変態のくせにまだ、なんか私に文句を言うわけ?」
陽一の真意を計りかねている事で紗枝は少しいらだった口調になった。
「ち、ちがうんだ。あ、あの…」
「言いたいことがあるんならさっさと言いなさいよ。」
「お願いが…あるんだ。い、いや、お願いがあります。」
紗枝は好奇心をくすぐられた。
(何か昨日までと違う事でも言うつもりかな?)
「へえ、何よ。言ってみなさいよ。」
「あの…、だから…」
勃起したペニスをひくひくと動かしながら、言葉に詰まっている陽一の様子が 紗枝にはたまらなく可笑しかった。と同時に奇妙な愛おしさを感じる。
「あ…あの…」
「言わないんならもう、私行っちゃうよ。」
紗枝が陽一に背を向けようとした瞬間、陽一の口が開き、堰を切ったように 言葉が溢れ出した。陽一に言葉を選んでいる余裕は無かった。あの日以来、 心の中にたまっていたもやもやとしたものが突然明確な形となって噴き出した。
「紗枝ちゃん、お願い! ぼくのここをこの間みたいに思いっきり踏みつけて ください!!ほんとのこと言います。あの時のことばかり考えて毎日何回も オナニーばかりしてたんだけど、いくらやってもだめなんだ!! 何度しても 紗枝ちゃんのことばかり考えてしまうんだ。紗枝ちゃんにあの時みたいに…
その…いじめて…、いや、紗枝ちゃんの好きなとおりに…い、いじめて…。
おねがい…です。そうじゃないと頭がおかしくなっちゃいそう。だから、 お願い…です。なんでも紗枝ちゃんの言うこと聞くから…。もう、絶対に 反抗しないから…、お願い…します…。今度は本当だから…。紗枝ちゃんが もし、学校中にぼくのこと変態だってばらしたかったら、それでもいいから。
だから、ぼくを…紗枝ちゃんの側に…いさせて。ぼくのことどんなにいじめても いいから…。紗枝ちゃんが楽しく感じるなら、ぼく…トイレの床でも便器でも舐めるから…おねがい…です…う、うっく…」
一息にそれだけ喋ると陽一は紗枝の足元に跪いた。目からポロポロ涙が 溢れ出した。
紗枝は突然のことに少しひるんだが、胸がまたきゅんとなる。
(かわいい…)
陽一の言葉にこもっていた情感、足元でこちらを見上げている陽一の懇願するような表情、すがるような目、そして溢れる涙。紗枝に満足感を与える光景だった。体の芯がじぃんと熱くなるような感じがした。昨日まではどちらかと言うと嫌がる陽一を無理やりにでも押さえつけ、弄ぶことに紗枝は 喜びを見いだしていた。しかし、今、陽一が心から紗枝に服従すると叫んでいる。
陽一を完全に支配している感覚、いや、陽一を所有したと表現した方がいいかも しれない。それがまた違う快感を紗枝にもたらした。
心中の高揚感というか快感は、そのまま紗枝の表情に現われていた。
それを見取った陽一の表情が先程までの懇願の表情から期待の表情に変わった。
実際、紗枝はこの場で思い切り陽一をいじめてやりたいと一瞬思ったが、その楽しみは後に取っておくことにした。
紗枝の表情が突然厳しいものに変わる。
「へえ、昨日までとはずいぶん変わったのね。でも、今までもそんなこと言って全然私の言うことなんか聞いてないじゃない。」
「ご、ごめんなさい、紗枝ちゃん。今度は絶対に本当だから…。だから…」
「へぇ、そうなの?じゃあ、本当に私の言うことなんでもきくか、特別に今日、テストしてあげる。それに合格したら、ご褒美に思いっきり踏んであげてもいいよ。」
「ほ、ほんと?」
「その代わり、やっぱりだめだった時は、もっと酷い目にあうからね」
「酷い目?…」
「死んじゃいたいくらい恥ずかしい目に遭うかもよ。それに絶対踏んだりしないよ。私の言うこと聞かないコが喜ぶようなことなんで私がしなきゃいけないの?」
「さ、紗枝ちゃんの言うとおりだと…思います。」
「ふ~ん、じゃ、テスト受けるのね?」
「は…い。受けさせてください…」
「あっはは、よっぽど踏んで欲しいみたいね! どうせきっと今日はテストまでずーっとボッキさせてるんでしょ? まあせいぜいテストがんばってね。
じゃあね。」
紗枝はそう言い残すと陽一に背を向けた。そして、早くも今日1日陽一がどんな表情で放課後を待ちわびるのかを想像し、胸をおどらせていた。背後から
「 紗枝ちゃん…」と呼ぶ声が2度ほど聞こえたが、紗枝は一切無視して教室へと去っていった。紗枝を呼ぶ陽一の声はとても心地よかった。
一人残された陽一は、そのままの格好で座りこんだ。思わず、本心を全部ぶちまけてしまった。テストはすると言ってくれたけど、紗枝の表情は冷たかった。全てを言ってしまった後悔が胸をよぎる。でも、言わずにはいられなかったのだ。陽一の体も心も紗枝なしには生きていられない、
そんな気持ちだった。
その時、始業を告げるチャイムが聞こえて来た。陽一はあわてて服装を整え、教室へと向かう。股間の強ばりを隠すのが大変だった。
