GIMICさんの作品「Toy Boy」【4 確保】

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その時、普段なら授業の終わりを告げるチャイムの音が校内に鳴り響いた。

紗枝はこの音でハタと我に返った。さっきから陽一はかなり大きな声を出している。一躍人気者になった陽一を誰かが探しに来ないとも限らない。私だって 忘れ物を取りに行ってくるといってプールサイドを離れてきたんだったわ。

こんなところを誰かに見られたら・・・。目まぐるしく色々な考えが頭の中を 駆け巡る。もっとも、だからと言って紗枝にはこの楽しみをここで終わらせる つもりは全くなかった。

紗枝は周囲を見渡した。階段の上方に目が止まった。

(そうだ、あそこなら…)。

紗枝はすでにほとんど精液を舐めとられた足を陽一の顔面から下ろすと 陽一に目を向ける。ようやく許してもらえる、この場から逃げられるという期待が伺える表情だった。

「あそこに入って」

紗枝が指差した先には女子トイレがあった。

まだ終わりじゃない・・のか。陽一はがっくりとうなだれた。

そして、のろのろと立ち上がると女子トイレの方向へと歩きはじめた。

もうどうにでもなれ・・と少し開き直っては見たもののいざ女子トイレの前まで来ると陽一はそこで立ち止まってしまった。女の子が用を足している所を想像してしまうと足がすくむ。男が決して入ってはいけない場所なのだ。

「は、長谷川さん、やっぱりやだよ。女子トイレになんか入るのは・・・もう勘弁してよぉ」

「へー、おちんちん踏まれてイッちゃったことをみんなにばらされるよりいやなのね。じゃあ、いいよ。入らなくても。」

「そ、そんな・・・」

「なんでも言う事聞くって言ったくせに全然聞いてないじゃない。いいわよ、ぜ~んぶばらしてやるから」「わ、わかったよ・・はいる。」

紗枝には逆らえないと頭の中で分かっていても彼女の命令はとっさに拒否して しまうような事ばかりだ。紗枝は自分を女子トイレに連れ込んで何をさせるつもりだろう。射精した事で少なくとも今は現実の世界に戻っている陽一はいっそう不安を覚えていた。

「陽一くん、女子トイレに入るの、はじめて?」 こくりと陽一がうなずく。

(紗枝ちゃん、あたりまえだろ。ぼくは変態じゃないんだから・・)

口に出せば直ちに否定されるだろうが、陽一はまだ本心から自分を変態だと認めていない。

「ここに居て変なのは陽一くんだけだね。そんな恰好してるし。もし誰かが入ってきたら、私、知らん顔するから」

紗枝は冗談を言うように軽く言い放ち、笑った。

「そ、そんな・・・」

一瞬、紗枝がそばにいるから誰かが来ても弁解してくれるかもと思っていた陽一の心を見透かすような言葉に陽一は体が熱くなる。それと同時に自分が今全裸で 女子トイレにいることも改めて自覚させられる。

(全裸で女子トイレに・・・ これじゃあ、本当に変態だよぉ。)

「そうだ」。

多少気持ちに余裕が出たせいか、紗枝は「面白いこと」を思いついた。

(…でも、そのためには一度教室に戻らなくちゃならないな。

その間に陽一くんが逃げられないようにしておかなくちゃ…)

「そこの、掃除用具入れなら外から鍵がかけられるね。陽一くん、そこに入って。」

紗枝の言葉に陽一は不安げな表情を浮かべる。

「言うこときかないなら、みんなに・・・」

紗枝の言葉が終わる前に陽一は掃除用具入れの中へ足を踏み入れる。

「こ、このまま放っておいたりしないよね?ね、長谷川さん。」

「さあ、どうかな?とにかくさっさと入りなさいよ。」

紗枝はそう言うと陽一の体を中へ押し込み、がちゃりと外から鍵をかけてしまった。

「さ、紗枝ちゃん!」

思わず、陽一は声をあげたが、返ってきたのは返事ではなく紗枝がトイレから出ていく音だった。 (まさか本当に紗枝ちゃんはぼくをここに放置するつもりじゃ・・・。そ、それとも誰かに言いに行ったとか・・)

陽一はパニックになりそうだった。思い浮かぶのは悪い事ばかり。

このまま放置されても助けを呼ぶわけにもいかない。誰かが掃除をするために 発見してくれるにしてもこの格好だ。

こんな姿を誰かに見られるくらいなら死んだ方がましだ。

いや、ずーっと放っておかれて衰弱でもしてたら何とか言い逃れもできるかも しれない。それよりも水泳大会が終わってみんなが教室に戻ってきたらどうするんだ。誰かがトイレに来た時に物音なんか立ててしまったら・・・。

女生徒がいっぱい集まってこのドアを開けてしまったら・・。

晒し者じゃないか。紗枝ちゃん一人でさえこんなに恥ずかしい思いをしているのに。本当に学校に出てこられなくなる。どう転んでも無事にここから出られそうにない絶望感から陽一は少し目眩いがしてふらついた。そのせいで用具入れにあったバケツを蹴飛ばしてしまう。陽一は心臓が飛び出るかと思った。

とにかく今はじっと音を立てないようにしているしかない。

(でも、なんであんな事をしてしまったんだろう。なんであんな事して 気持ち良くなったりしたんだろう。)

この短い時間にもう何回同じ事を 後悔したか分からない。そして、思いが行き着く先もまた同じだった。

最後に浮かんでくるのは紗枝に股間を踏みにじられながら射精している自分の姿・・・

恥ずかしいとか、逃げ出したいとか、痛いとか、苦しいとかそんな気持ちが全てどこかに行ってしまうほどの快感。それを楽しんでしまった自分に対する嫌悪感と再びそれを望んでいる自分。 陽一が苦しみ恥ずかしがり、それでいて快感に悶えている様子を微笑を浮かべながら眺める紗枝の表情。 陽一の頭の中でそれらがぐるぐると回る。

その時、廊下に人の気配がした。誰かがここに近づいてくる。

紗枝であって欲しい。紗枝であったとしてもひどい目にあう事には変わりはなかったが、いや、紗枝である方がひどい目にあうかもしれないのだが、陽一は紗枝である事を祈った。

すぐに足音は女子トイレに入ってきた。

そして、陽一が潜んでいる用具入れの前へ。ガチャリ。鍵が開けられた。

陽一の体が硬直する。そこに立っていたのは紗枝だった。

待ちかねたような安心した表情の陽一を見て紗枝はおかしかった。

捨てられた犬が飼い主に再会したみたいな顔だわ。ちょっぴりかわいいと思った。

「ほら、出てきなさいよ。」

「は、長谷川さん。よかった、帰ってきてくれて・・・。」

犬みたいな”陽一は飼い主に向かって飛び掛かっていくように用具入れから出た。その姿を見て紗枝は呆れた。先程射精して少し小さくなっていたペニスがまた勃起している。そのうえ陽一の両腕の拘束はまだそのままだったのだ。

「呆れたわ。なあに、それ?」

「えっ?」

陽一は紗枝の視線でようやく自分が又勃起させていることに気づいた。

「あ、こ、これは・・」

(用具入れの中でさっきの事を考えている間にまた興奮しちゃったんだ・・)

「まあ、いいわ。そのほうが面白いから。」

「え、どういうこと? 」

「ほら、そこに立ちなさいよ。」

紗枝に言われるままに陽一はトイレのほぼ中央に立たされた。

「うん、いい感じ。」モチーフの位置を整えるミニ女流画家みたいに、楽しそうな無邪気な笑顔で紗枝はうなずいた。そうして、持ってきた小さなデジタルカメラを構えた。パシッとフラッシュが光る。

「あっ」

「記念写真よ、変態陽一君の。ほら、ちゃんと立ちなさいよ!」

陽一はあわてて前かがみになり、せめて勃起したペニスを隠そうとしたが、紗枝の叱咤にほとんど条件反射のように上体を起こした。

「そ、そんな…。」

「みんなにメールで配っちゃおうか。プリントアウトして廊下に貼り出してもいいわね。あはは!」

陽一は激しく狼狽した。その表情を見てとった紗枝はすばやく言った。

「でも、私の言うことをなんでも聞いてるうちは勘弁してあげてもいいかもね」

「ほ、ほんと?」

写真を撮ったことで、紗枝は陽一をほぼ手に入れたような気持ちになった。

とりあえずこの写真が自分の手元にあるかぎり、いつでも陽一を虐められるだろう。いま、焦ることはないのだ。

(今日は、もう時間がないわ。もう少し虐めて、あとはまたこんどにしよう。)

「陽一くん、トイレの床、舐めてみて」

「え? そんなことできないよ、汚いよ」

「じゃ、写真配っちゃってもいいのね?」

「い、いやだ…。な、なめます…」

陽一はゆっくりと冷たい床に膝をついた。それだけで背中に嫌悪感が走った。

(トイレの床を舐めるなんて…)

体を少しかがめたところで陽一の動きが止まる。トイレの床を舐めるなんてやっぱりできない。紗枝の命令に従おうと体をかがめようとしても、ぐっと胸に込み上げてくるものに遮られてこれ以上体が動かせない。

その時、つい先程、紗枝の足の裏を舐め回していた自分の姿が一瞬脳裏をかすめた。

(でも、あれはいくら汚れていたと言っても紗枝ちゃんの足だったからできたんだ。トイレの床なんて舐められないよぉ…)

「は、長谷川さん…、だめだよ、できない。お願いだから勘弁して…」

陽一は泣きだしそうな表情を浮かべて紗枝に懇願した。

「ふぅん、やっぱり私の言うことは聞けないっていうのね。じゃあ、みんなにこの写真を見てもらうしかないわね。」

「まってよ、お願い。もっと言うとおりにできるようなことにして… お願いだから。」

「私は便器を舐めるよりはましかなあって思って床にしてあげたのに、まだ文句を言うのね。まあ、いいわ。じゃあ、これならどう?」

そう言うと紗枝は陽一の目の前の床に唾を吐いた。

「それを舐めて。これができないんなら、次は便器を舐めてもらうからね。」

トイレの床に落ちた紗枝の唾に視線を落とした時、陽一は自分の喉が反射的にごくりと音を立てたことに驚いた。

「ほら、早くしなさいよ。」

陽一の体がまたゆっくりと動き始めた。トイレの床なんか舐められない。

その気持ちが変わったわけではない。でも、陽一の体は紗枝の唾液に向かって折れ曲がっていく。

やがて陽一の唇はまるで紗枝の唾液に吸い寄せられるように床から数センチのところまでやってきた。そして、ゆっくりと舌が伸び、すでに冷たくなった紗枝の唾液に触れた。

「ん…」

陽一の体がその瞬間かすかに震えた。そして、陽一はまるで観念したかのように、トイレの床から紗枝の唾液を舐めとり始めた。

その様子は、紗枝のデジタルカメラに収められていった。最後に撮った写真がカメラの液晶画面にちょうど映しだされている。女子トイレの床の上に這いつくばり、両手を後ろ手に拘束された陽一が尻を高く突き出した何ともいえない恥ずかしい格好で紗枝の吐き捨てた唾を舐めている。

真正面ではなくやや斜めからのアングル、しかも低い位置から撮影したので陽一の股間の勃起したペニスまできれいに映っていた。その構図に満足感を覚えながら、紗枝は先程感じた快感をもう一度味わいたくなった。

(最後にもう一度…)

陽一は紗枝の唾液を全て舐めとってしまった。これで許してもらえるだろうと紗枝の表情を窺おうとした時、陽一の頭は紗枝の足によって床に押しつけられた。

「ぐぅっ…」

両手が自由にならないので、陽一は抵抗できなかった。

「どう、おいしかった? 裸で縛られて女のコに踏みつけられるのはどんな気分?」

「う、う…」

「私は聞いてるんだけど…」

「う、も、もうゆるして…ください…」

「私の質問に答えるまでは許してあげないよ。」

「お、おいしくない…です。こ、んな恥ずかしい格好はい…や…だ…」

「そんな格好して勃起してるくせに、よくそんなことが言えるのね。

じゃあ、こうしようか。この写真を私の友達みんなにメールでばらまいて、この写真の彼が恥ずかしくていやがってると思うかどうか聞いてみるの、ふふ。」

「そ、それはやめて…。」

「だ~め、もう決めちゃったんだから。じゃあ、今日はもういいよ、これで許してあげる。」

「あ、そんな…ち、ちょっと待って!」

陽一の言葉を無視して紗枝はトイレを出ていった。

陽一はただ呆然と紗枝を見送るしかなかった。どれくらい女子トイレの床に這いつくばっていただろうか。ようやく我に返った陽一は、紗枝の最後の言葉に絶望感を覚えながら、両手の戒めを解き、水着を身につけると女子トイレを出た。あまりの絶望感にトイレを出る際に辺りに誰かいたりはしないか確認することすらしなかった。

気がつくと陽一はプールサイドに戻っていた。残りの競技には参加したもののもちろん成績は散々なものであった。しかし、それまでの陽一の活躍が功を奏し、陽一のクラスは学年優勝を果たした。

水泳大会終了後、優勝の立役者である陽一はクラスメートにもてはやされた。

しかし、その中に紗枝の姿はなく、陽一は上の空で「今日はちょっと疲れたから…」と一言残して学校を後にした。

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