ひろじんさんの作品「あるM男の奇妙な告白」(1)
私は後藤満男と申します。
年齢は21才、ある商事会社に勤めるごく普通のサラリーマンです。
高校を卒業して今の会社で働き出してから、もう3年になります。
お恥ずかしい話ですが、私はこの年になるまで1度も女性と付き合ったことがありません。
私に強烈にして特殊な性癖があるからでもあります。私はマゾヒストなのです。
中学生のとき、たまたま本屋で見かけたSM雑誌でこの道に目覚めて以来、
急速にのめりこんでいった私は、ついに完全なM男と成り果てました。
今から思えば、チビで(私は今でも158cmしかありません。)、
勉強もスポーツもぱっとせず、友達も少なかった私の劣等感が、
はけ口を求めた所為だったのかもしれません。
勤めを始めてからは、巷のSMクラブにもぼちぼち通いだすようになりました。
そして半年前、馴染みになったSMクラブの店長がある話を持ちかけてきたのです。
このクラブには現役の女子高生を呼んで虐めてもらう秘密のシステムがあるのだが、
参加してみないかと。
SMクラブでのプレイに食傷気味だった私には、魅力的に聞こえる話でした。
年下の少女、しかも制服姿の現役女子高生に虐められるというシチュエーションに、
私のマゾ心は大いにそそられたのです。
私はその場で参加を申し込み、初プレイの日をわくわくしながら待ちました。
ところが当日、やってきた娘を見て私は驚きました。
私はバリバリのコギャルタイプが来るものと決めつけていたのですが、
目の前にいるのは、今風のおしゃれこそしているものの、
清純そうな雰囲気を持ったお嬢様風の美少女です。
しかしプレイを始めてみると、その女王様ぶりは実に堂に入っていて、
私はひとときの悦楽を堪能しました。
後で話をきいてみると、やはりその少女はある有名なお嬢様学校に通っており、
他の女子高生達も大体がそういう学校の生徒であるとのことです。
また彼女達は金銭よりも、どちらかと言えば男を虐める刺激と快感を求めてここに来るのであり、すでに専属奴隷を所有している娘も少なくなく、
実は自分も1匹持っているとも言いました。
いまどきの女子高生は一体どうなっているんだろうと私は唖然としましたが、
しかし私のようなM男にとっては嬉しい限りです。
私はシステムの内容に満足し、その後何回か利用しました。
そうして今より3ヶ月前、私の人生にとって決定的な、またある意味で宿命的な
事件が起きたのです。
その事件、さらにそこから始まった他人には全く異様に見えるに違いない
私の奇妙な生活について、これからお話していきましょう。
事件の日、私は例のシステムで新たな女子高生女王様を紹介して貰うことに
なっていました。
店長からは、今日私が会う娘は在籍する女の子の中でも特に美人で人気もあるが、
ただしプレイは相当過激なのでその点については覚悟しておいてほしい
と言われていました。
私にとっては、まさに望むところでした。
当時、私のマゾ欲求は日増しに強くなる一方で、型通りのプレイの範疇では
飽き足らなくなってきていたのです。
私は胸をときめかせてプレイルームに入っていきました。
すると相手の娘はすでに着いていて、私に背を向けてソファーに座っています。
私が近づいていくと、その娘はゆっくり立ち上がり、そして私に振り返ったのです。
その娘の顔をみたときの私の驚き!
なぜならそこに立っていたのは、なんと私の実の妹、すなわち沙織様だったのです。
驚愕に顔をひくつかせ、痴呆のようにたちつくす私に、うっすら笑みを浮かべた
沙織様が近づいてきました。
自分が1年以上も前からこのシステムに在籍していること、また今日ここで
私と会うのをとても楽しみにしていたことを私に告げながら。
そう、沙織様は相手が私であることを知っていた、いや知っていなくては
ならないのです。
なぜならこのシステムでは女子高生女王様の側に決定権があり、
彼女達は事前に奴隷希望者の顔写真とプロフィールを見、気に入った場合のみ、
プレイをOKするようになっていたからです。
つまり沙織様は自分の兄である私を奴隷として選んだということになるのです。
そのとき沙織様は17才、さる私立の名門女子校に通う高校2年生で、
実家にほとんど近寄らない私にとって、約1年振りの再会でした。
その変貌に私は目を見張りました。
170cmはあろうかというセクシーな肢体、少女と大人の中間の不思議な魅力を
たたえた表情、そしてM男のみが真に感知し得る残酷な嗜虐性を秘めた瞳...。
濃紺のブレザーに緑のタータンチェックのスカートという沙織様の制服姿は、
すでに私の目の前にあって、婉然と私を見下ろしています。
ここまで私は一言も発することができませんでした。
言うべき言葉が全く見つからなかったのです。私は無言のまま、きびすを返し、足早にドアへと向かいました。
するといきなり、沙織様が背後から私に覆いかぶさってきて、
たちまち片手を後ろ手にねじりあげるや、喉元を締め上げてきたのです。
そしてもがいている私の耳元で、沙織様は甘酸っぱい吐息とともに
”お兄ちゃん、お仕置きだよ。”
とささやいたのです。
私は反応する間もなく、その後すぐに沙織様によって正面に体を
向き直らせられました。
沙織様の腕から解放されてようやく1呼吸つけた私が、さすがにふざけるな
と一喝しようとしたまさにその瞬間、沙織様の平手打ちが飛んできたのです。
私の頬で高らかな音が鳴り、じんと痺れるような痛みが私を襲いました。
それは私の意識が一瞬、空白になる程、強烈なものだったのです。
そして我に返ったとき、私は沙織様の兄から単なるM男になっていました。
この恥辱の一撃に、私のマゾ心は熱く、烈しく燃え上がったのです。
要するにたった1発のビンタで、私は沙織様に、自分の実の妹に屈服して
しまったのです。
沙織様は私の両腕をとると、私の体の真横に垂直に下ろして
ぴったりと押しつけました。
私はこれから行われることの恐怖と期待に目を見開いて、
沙織様を見つめています。
沙織様は指先で私の顎を心持ち押し上げ、先ほど叩いた私の右頬を優しく
撫でさすりました。
それから少し間をおいて、沙織様の痛烈な平手打ちが、再び私の頬を襲いました。
今度は右だけでなく、左も、そして何度も、何度も...。
こらえようとしてこらえきれない涙と悲鳴が、私から迸り出ます。
ひときわ鋭い一撃に私はのけぞって尻餅をつきました。
私にはもう沙織様に抵抗する意志も気力も毛頭ありませんでした。
仮にそんなものがあったとしても、私のような非力な小男では、所詮、沙織様に
敵すべくもなく、さらに過酷なお仕置きを受ける破目になるのは明らかです。
沙織様が繰り出した激しい往復ビンタの嵐は、わずかに残っていた私の自尊心を
微塵に打ち砕いたばかりでなく、私から思考力をも奪い去っていました。
私はそのまま茫然とへたりこんでいたのです。
しかし沙織様はまだ私を許してはくれませんでした。
沙織様は私の手を引いて壁際まで連れてくると、私の体を壁に立てかけました。
そうしておいて沙織様は膝蹴りを私の腹に叩きこみ始めたのです。
沙織様の体重の乗った膝蹴りが、ずんと鈍い衝撃を私の内臓に伝えます。
私の肉体はそろそろ限界に達しつつありました。
私はまるで自分がボロ雑巾か何かになったような気がしていました。
私は何度も反吐を吐きつつ前に倒れこみそうになりましたが、
そのたびに沙織様に壁に押しつけられてしまいます。
やがて1発の膝蹴りがまともに鳩尾の急所に入りました。
私はたまらず崩れおち、それこそ海老のように身を屈めて苦しみました。
しかし沙織様は私に立ち上がるように命じたのです。
それは私にとっては余りに酷い命令でした。
私は立ち上がることはおろか、息をするのもままならない状態だったのです。
すると沙織様は私の両足を掴んで部屋の中央まで引きずっていき、
力ずくで私を仰向けにするや、私の股間に足先を押し当てたのです。
沙織様は私に電気アンマをかけ始めました。
沙織様の電気アンマは、鳩尾の激痛とあいまって、この世のものと思えない
苦悶を私にもたらしました。
沙織様に股間を踏みしだかれて、私の口からは絶え間なく唾と絶叫が
飛び散ります。
私は今やもう、何がなんだかわからなくなっていました。
そしてこの苦痛と混乱の悪夢の中で、私は自分の悲鳴をききながら、
悶絶していったのです...。
私が目をさましたとき、傍らには、脚を組んでソファーに腰掛けた
沙織様の姿がありました。
沙織様から思いがけないいたわりの言葉が私に向けられました。
さらに続けて、沙織様は子供に言い聞かせるように私に語ったのです。
沙織様は初対面の奴隷にはいつも、敢えて過酷な調教を施し、
それによって奴隷の心身に否応なく隷従を植えつけること、
また私に対しては特に厳しくそうする必要があったことを。
まさに私は沙織様の掌で躍る滑稽な朱儒、いや奴隷に過ぎませんでした。
私は畏怖と崇敬のまなざしで沙織様を見つめました。
私の前にあるのは、まぎれもなく、思うがままに私を蹂躪し、支配する、
私が追い求めていたミストレスの姿だったのです。
私にはするべきことがわかっていました。
私は沙織様の足元にすり寄ってひざまずきました。
そして沙織様のおみ足をおしいだき、長い忠誠のくちづけを捧げたのです。
沙織様の手がゆっくりと優しく私の頭の上に添えられました。
私は、またおそらく沙織様も、しばらくそのまま甘美な陶酔に浸っていたのです。
これは沙織様と私にとっての儀式でした。
この儀式によって私達兄妹は、血縁の禁忌を越え、新たな契りを結んだのです...。
