かさじぞうさんの作品「せい子第1-1話」

前のページへ戻る

続きです。せい子先生との再開、告白。

孝一のところへだんだんとせい子が近づいてくる・・・・・・孝一はまだ少し離れている地点からせい子を見上げながら、祈り続けた・・・・・。

「せい子様がツバを吐きかけて下さるなら、僕は今後の人生をせい子様の奴隷として、この肉体も精神も、すべてをせい子様に捧げても構わない・・・・・」

せい子に言わせると、この男子高校はマゾ男の集まりだった。もし、全国の高校でそのマゾ男度を競い全国一のマゾヒスト高校を決める、“マゾ甲子園”のような大会があるなら、必ず日本一になれるだろうというくらいに、せい子から見た生徒たちの精神的なマゾレベルは高いものだった。天性のサディストであるせい子にとっては理想の職場だと言えた。せい子以外の女性教師もサディストではあったが、せい子は身長も170センチに近く、いわゆる“セクシーダイナマイト”なプロポーションの持ち主だということもあって、彼女たちからも一目置かれるくらいに突出した存在だった。そんなせい子だから、生徒たちからは憧れの的だった。この講話と称する儀式においてせい子からツバを吐きかけられた生徒は、講話の後、講堂の中にいくつか設けられている倉庫において調教を受けることができる。そして、そこでせい子に認められればプライベート奴隷にさえなることができるのだ。マゾ中学生らは、せい子による調教に憧れ、この高校への入学を希望してくるのだ。しかし、入試に合格して入学したからといって、それとせい子から調教を受けられるということがイコールで結びついているわけではなかった。講堂講話においてせい子から調教を許可されたいがために、生徒らは、普段の授業を通して、ある者はせい子に対して必要以上にへりくだり、ある者は休憩時間に、授業中にせい子が座った椅子に頬擦りを繰り返したり、またある者はせい子の授業の終了後トイレへ駆け込みせい子の名を連呼しながらオナニーをするといったパフォーマンスで、いつかは講話の場においてせい子から調教許可の証しであるツバを吐きかけてもらおうと思い、自分のマゾ度を思い思いにアピールし、毎回の講話を迎えるのである。

せい子は、英語の教師である。この高校の生徒の英語についての学力が県内の他の高校より突出して秀でているのは、このような理由に基づくものであった。

3年生であり卒業を間近に控えた孝一は、まだせい子からマゾ男としての調教を受けたことはなかった。いや、大半の生徒が一度もせい子から調教を受けることなく卒業を迎えるのであるが、孝一にとっては、せい子に調教されることを誰よりも夢見てきただけに、今日、せい子からツバを吐きかけられることなく終わってしまうというのは、悔やんでも悔やみきれないことになってしまう。他のどんな願いを差し置いてでも願うのがせい子の奴隷になることなのであり、この高校に入学したのはそれが目的に他ならなかった。その願いが今日まで叶えられることなく時が経過してしまい、今日がそのラスト・チャンスなのである・・・・・・・孝一は、この高校に入学して以来、毎日、日記を付けていた。いや、日記というよりせい子に対する思い入れや自分が夢想していることをただ書きなぐっているだけのものであったが、毎日、毎日、願をかけるように日記帳に対する憧れや希望などを書き綴ってきた・・・・・それくらいせい子による調教に憧れてきたのである・・・・・だんだん近づいて来るせい子のその目を食い入るように見つめながら、孝一は涙ながらにせい子に自分の気持ちをぶつけた。

やがて、孝一の視線が、近づいてくるせい子の視線と合った。孝一の昨日までとはうって変わったその髪型にせい子は一瞬驚いたようだった。いつもの孝一なら、せい子のリアクションにたじろぎ、視線を外してしまっていただろう。しかし、今日の孝一は、なんとかせい子から一瞬たりとも視線をそらさないようにしようと努力した。最後のチャンスにかける孝一の決意は固かった。

視線で訴えかけてくる孝一を威圧するかのような視線を注ぐせい子に孝一は逆らうことすらできず、まるで結ばれたかのようにお互いの視線をそらすこともなく、やがてせい子は孝一の前まできた。せい子は仁王立ちの姿勢で孝一を見下ろし、孝一は背中のところで手を組み正座をしたまませい子を見上げた。せい子は、孝一のあごを右手で掴むと、少し力を入れて、顔の角度を固定させた。

せい子の視線に釘付けになったまま、時が止まったかのような時間が二人の間に流れた・・・・・。

せい子は、孝一の視線の中に孝一の思いと隷属の誓いとを読み取ると、視線をそらさないまま、ゆっくりと息を吸い、まるで孝一に見せつけるかのように、その形の良いふっくらとしたやわらかそうな厚めの唇をゆっくりとすぼめた。

視線はせい子の唇に釘付けにされたまま、孝一は身体全体に力を入れて身構えた・・・・・。

ところが、せい子は、さらに右手に力を加え、孝一のあごを振り払った。孝一の身体は振り払われた方へ傾きかけた。そこでせい子はすかさず傾きかけた方向の側の孝一の頬にスパンキングを見舞った。静まっていた講堂全体に、せい子によるスパンキングの張り裂けたような乾いた音が響き渡った。傾きかけた方向とは反対方向へ打たれたスパンキングにより、孝一の身体はまた元の状態に戻された。そして、せい子は、そのまま孝一の元から離れ、次の生徒のところへと歩を進めた瞬間、孝一の目から涙が溢れだしたのをせい子は見逃さなかった。

「ああ・・・・せい子様が行ってしまう・・・・・もうだめだ、最後の最後にやっと訪れたチャンスだったのに、・・・・・せっかく立ち止まってくれたのに、せい子様には僕の気持ちは届かなかった・・・・・」と思うと、最後のチャンスを逃した、そして、その結果として、憧れのせい子女王様から一度も調教を受けることなく卒業を迎える無念さのあまり、孝一の目からはごく自然に涙が溢れ出てきて、そして、ゆっくりと頬を伝い始めたのだ。

ところが、せい子は、孝一の前から一歩踏み出したところで急に振り向き、腰に両手をあててほんの少しだけ前かがみの姿勢をとった。それは素早い動作でほんの一瞬のことだった。

「・・・・・ベッ!」

せい子は素早い動作の一番最後の行為として、孝一のピカピカに剃りあげられたスキンヘッドめがけて、少し離れた位置からツバを吐きかけた。勢いに任せて少量のツバを吐きかけるという程度の量ではなく、かなりの時間口の中に溜めたものを一気に吐きかけたのだと容易に想像できる程度に多量のツバだった。そして、孝一のそばに寄ると、あごを掴んで無理やり上を向かせ、孝一の顔を自分の方に向かせた。それは、ヒステリックなくらいに一方的かつ瞬時の出来事だった。せい子は瞬時にして孝一の目を覗き込み、孝一の視線を捕らえて逃がさなかった。

「・・・・・ぺッ!」

せい子の甘いツバの香りが瞬時にして孝一の鼻を覆った。あまりにも突然の出来事だったので、孝一の思考回路はまともに機能できなかった・・・・・いや、心臓の鼓動以外のすべての機能が停止したといっても過言ではなかった。

「ぺッ!」

せい子は、孝一の顔面めがけて、口の中に溜めていたツバを2回に分けて吐きかけた。その瞬間、講堂の中は驚きの声ともため息ともつかないような声があちこちから漏れ聞こえた。

孝一の頭と顔一面にせい子の甘い香りのするツバが散らばった。吐きかけられたツバの量は、溢れだした涙の量など比較にならないくらいに多量のものだった。もちろん、他の2人の生徒が吐きかけられたツバの量よりもはるかに多かった。

せい子の視線は孝一の目、突き詰めれば孝一の心を見据えたまま、まばたきひとつしなかった。

前のページへ戻る


お問い合わせ

↑トップへ