かさじぞうさんの作品「せい子第8-2話」

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せい子が外出してどのくらい時間が経過しただろうか・・・。

テープによる洗脳に陶酔し切っている孝一は、そんな自分の姿を最初からビデオカメラで撮影されていることも、いつの間にかせい子が帰ってきていて、目隠しとヘッドホンのまま脇目も振らずに自慰にふける檻の中の孝一をソファに座って紅茶を飲みながら鑑賞したりデジタルカメラで撮影したりしているということもわからなかった・・・・いや、そんなことを考える余地もないほど孝一の頭の中はテープの再生に合わせたその場面の再生一色だった。

音だけから想像する世界の中で、孝一の本性をモロにさらけ出した情けないあえぎ声は止まるところを知らなかった。

ふいにテープが止められた。

が、孝一のあえぎ声は止まらなかった。

せい子は、孝一が入っている檻を、房ムチで横殴りに引っぱたいた。

鉄製のパイプを打つ大きな音が部屋中に響き、その音はヘッドホンの隙間から孝一の耳にも届いた。

孝一はようやくだらしいなあえぎ声を出すことを止め、ぺニスをしごく手を休めて檻の中できちんと正座し直した。

孝一は、正座をしている自分の上にせい子の気配を感じた。

せい子は檻の上で脚を組みながら腰かけ、鉄パイプの隙間から房ムチを垂らし、バラけたムチの先端の部分で、孝一の肩や背中を愛撫するように執拗に撫で回しながら言った。

「孝一・・・・どこまでも素直で私に従順なかわいい孝一・・・・私はおまえを本当の玩具として、本当に私だけのために存在する奴隷として所有するためにいろいろとその方法を考えてきたわ・・・・今日まで、そして今か

らも心身とも征服し所有するための調教は当然続けるけど、それだけじゃいつまでたってもおまえは私以外の者の前では普通の人間でしかないじゃない・・・・私は、おまえの存在をこの社会から消して、あくまでも私とおまえの二人だけから構成される支配と服従の世界だけに存在する奴隷にしたいの・・・・。

どうすればそんなふうにてきるか、いろいろ、考えたわ・・・。

とにかくおまえをもう手放したくないから、勉強したり調べたりしたの・・・・・。

おまえを殺さずにこの世から抹消する方法・・・・この社会にいながらこの社会の構成員としては認められずに、外を自由に出歩くこともできず、私の支配下で私の思うままに弄ばれるだけの存在にする方法・・・・。

そんな方法をひとつだけ見つけたわ・・・・。

今の日本の法律では7年以上生死が不明の場合、裁判所が認めればその者を死亡したものとみなすことができるの・・・・これを『失踪宣告』って言うのよ・・・・。

たとえばおまえをこの檻に7年間閉じ込め、一歩たりとも外へ出さないようにすれば、おまえは、今日から行方不明になって、捜索したけど7年間見つからず、どこにいるか手掛かりすらない、今後、姿を現すこともない・・・となれば、失踪宣告がなされて、おまえはこの檻の中で生きていながら一般社会ではもう何の社会保障もされず、戸籍上も死んだことにされて、もう誰もおまえのことなんか相手にしてくれず、死んだものとして扱われるの・・・・。

おまえが“死んだ人間”になれば、私も何の遠慮もなくおまえを本当の奴隷、本当の“物”として所有することができるようになるわ・・・・。

おまえをいつから行方不明者とするかは、つまり、おまえをいつから私の部屋のこの檻の中に閉じ込めてここで飼うことにするかはまだはっきりとは決めてないけどしばらくの間はその必要もなさそうね・・・・おまえはもうおまえの意思で自主的に私の前へ平伏すはずよ・・・でも、おまえが少しでも私から逃げようとしたら、その時は失踪宣告計画を実行に移すわ。

・・・・そうなれば、もう逃げようとしても無駄よ・・・・フフフフ・・・・もっとも、おまえにはもう私から逃げようなんていう気持ちすらないでしょうけどね・・・・。

おまえはもう私なしではいられないでしょうから、私もそんなには慌てないわ。

テープだけじゃなくてビデオだってたくさん撮ってあるから、ビデオも全て目を逸らさずに見てもらわなくちゃいけないわねえ・・・・おまえの本心はもうそれを拒まないはずよ。

ありとあらゆる方法を使っておまえを心理的にも征服して支配してみせるわ。

そして、私の夢が実現する時、つまり本当の支配、本当に「物」としての所有の始まりが『失踪宣告』が決まった時ということになるのよ・・・・おまえは私のものになるのよ・・・・私のために、私のことだけを想って、私の足元に平伏して、私に許しを乞い、私を満足させることだけを目的に存在する物になるのよ・・・・・・・」

孝一に対する調教は順調に施されてきてはいたものの、その程度では天性のサディストであるせい子の支配欲、所有欲を満たしていたわけではなかったのだ。

せい子の支配欲、征服欲は止まるところを知らないものであり、満足を感じるレベルはせい子自身ですら予想できないような高いものだった。

自分の果てしない支配欲と所有欲、そして満足感を満たすための生涯の道具が孝一なのであった。

「僕はもう、せい子女王様だけのために、せい子女王様の悦びと満足のためだけに存在するせい子女王様の所有物になりたい・・・・」

まだまだ行きつくところを知らないせい子の加虐心の導火線に火を着けてしまった孝一は『失踪宣告』という爆発点を避けて通ることは不可能であるということを、せい子の下の檻の中で悟り、意識の中のどこかには「逃げられるものなら逃げ出したい」と思う気持ちがあるにもかかわらず、心理面の大部分と肉体の全てが無意識のうちにせい子によるさらなる責め、辱め、弄びと監禁、拘束、支配、征服を求めていることに、孝一はむしろ安堵感を覚えた。

それらはせい子に対して自分が本心から望んでいるのだということに間違いはなかった。

せい子からシャワーを浴びるように指示された孝一は、時間をかけて身体を隅々まで丁寧に洗って清潔にした。

身体を拭いて、全裸のまま部屋へ戻ると、せい子によってベッドに全裸のまま「大の字」に縛りつけられた。

せい子は再び、女王様としてボンテージで身を包んでおり、そんなせい子の姿から、これからさらなる責めが続けられるであろうことを孝一は悟った。

またぺニスを弄ばれるのかと思ったとたん、孝一の顔の上にせい子が顔を見せ、せい子が孝一の上からその身体全体で重なってきた。

孝一の身体をまたぎ、孝一の顔の両脇に手を付いて、せい子は無言で孝一の目を覗き込んだ。

せい子の長い髪がせい子の顔の輪郭に沿って次々と垂れ下がり、まるでカーテンのように孝一の顔の輪郭を覆った。

せい子と孝一はせい子の「髪」というカーテンで外の世界から遮断され、さえぎる物や邪魔をする物が何もない二人だけの空間でお互い、長い時間をかけて見つめ合った。

長い時間を経て、せい子は唇をすぼめ始めた。

孝一は、そんなせい子の目と唇を何度も交互に見つめ、無言のまま視線でせい子に懇願した。

せい子は孝一の目が自分の唇と目とを交互に見つめていることと孝一の懇願とをまるで生殺しにするかのようにしばらくの間弄び、やがて、すぼめた唇を元の状態に戻した。

「・・・・ぺッ!」

せい子は口の中に溜まったツバを、自分の髪で遮断された二人だけの空間の中で、ゆっくりと孝一に吐きかけた。

ほのかにオレンジ・ジュースの香りがした。

孝一は、せい子の下で、せい子と再会した時のことを思い出していた・・・・せい子による初めての調教がオレンジ・ジュースを飲んだ後のツバ責めで始まったことを思い出していた。

夢の実現はそこから始まり、そして、後戻りの許されない現実のものとなった。

しかし、それは孝一の本心から望んだことであり、日常生活や信頼関係を超えて予めそうなることが定められていた二人の宿命であるということを改めて強く確認した。

孝一は、顔面にせい子のツバを受けたまま、視線を捕らえて離さないせい子に向かって、本心から自然に出た言葉をそのまま伝えた。

「私は小学生の頃から女性に弄ばれることを夢見てきました。

そして、高校に入学してせい子女王様の存在を知り、せい子女王様がサディストであること、そして、私を奴隷として調教してくださることを夢見てきました。

卒業後、せい子女王様と再会するまで、出会いを求めながらも、結局、女性サディストと巡り合うことができず、自分の本性をさらけ出せず、偽りの自分のままで生きてきました・・・・。

せい子女王様の奴隷になること、せい子女王様に支配され、所有物とされ、調教され、辱められ、弄ばれ、犯されることは、私が本心から、私の心の真ん中からそう切望してきたことです・・

・・私はせい子女王様との再会に感謝しています・・・・私はせい子女王様と再会したことで自分の存在価値を思い知り、何のために自分がこの世に生を授かったのかはっきりと認識することができました。

せい子女王様が私と二人だけの世界を構築してくださったことに感謝しています・・・・せい子女王様、ありがとうございます・・・そして、生涯の絶対服従を誓います」

せい子は孝一の思いがけない自発的な告白に満足し、しばらくの間、その満足感に浸りながら、満足度を会心の笑顔で表現すると、やがて、ベッドに張り付けにした孝一の肉体をいとおし気にゆっくりと撫で回し、孝一をさらに征服するための儀式を開始した。

(せい子・第8話・完)

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