かさじぞうさんの作品「せい子第9話」
せい子・第9話「人間タイムカード」
せい子が代表を勤める英会話学校は校名を「ミスト」という。
外国人女性講師を含めた講師陣が全員女性であり、休日も開校しているということから一般に上流と言われる職業に就いている夫を持つ有閑な婦人たちだけでなくOLや大学生まで、幅広い年代の女性たちから申し込みが殺到し、まずは、上々の滑りだしを見せた。
肩書きはマネージャーとはいうものの、実際には雑用係として、いや、実質的には雑用係以下の屈辱的用務を強制されるだけの存在として、孝一は、毎日、誰よりも早く「ミスト」へ出勤していた。
といっても、「ミスト」と同じマンションの同じ階に住んでいる孝一にとっては、「通勤」という概念もなく、遡って言えばその仕事内容は「労働力の提供」という概念すら当てはまるものではなかった。
孝一はもはやせい子の奴隷でしかなく、「ミスト」での仕事も、表向きは事務員としてということであったが、実際にはせい子を筆頭としたサディスト女性講師陣に対する「奉仕」がその内容でしかなかった。
実際、昨夜も時間の制約なしにせい子による執拗なまでの責めを受けた孝一にとっては、朝、まだ施された調教による快感を身体が忘れられないでいるうちに「ミスト」に向かうことは、孝一の精神と肉体が、条件反射のごとくせい子に対する忠誠と絶対服従とを実行しているに過ぎなかった。そして、結局はサディストの集まりであるせい子をはじめとした女性講師陣にその日の朝から晩まで弄ばれ、晩からその次の日の朝までは本来の所有者であるせい子に弄ばれる・・・・
自由を奪われた毎日の繰り返しだった。
ここは講師控室。
講師ひとりにつきひとつずつ机と椅子が配置されている。
孝一はこの部屋に自分の机を置くことを許されていなかった。孝一のこの部屋での居場所は出入り口から一番離れた角のあたりで、ここで、講師の呼びかけにはいつでもすぐに応じられるよう注意しながら正座をして待機するよう、せい子から命じられていた。
正座を強いられている孝一の視線より上に、椅子に腰かけているサディスト講師陣らの姿があった。
孝一は、毎日、椅子を押し潰さんばかりの重量感のある彼女たちのお尻とメタリック系のリップスティックを多用して妖艶な光を放っている彼女たちの唇を恐る恐る、しかし、半ば興奮を押さえながら見上げていた。
今は女性講師全員が出勤して間もない時間帯であり、各自の好みに応じて孝一が準備した飲み物の入ったカップをそれぞれが手にしながら、雑談に花が咲いていた。
「青少年に一定期間の奉仕活動を義務付けるなんて法律を作るのなら、法案作成は私たちに任せてほしいわ!」
「奉仕活動を義務付けるのは男の子だけ!女の子を含む全女性は奉仕をさせる側、奉仕を受ける側に立つべきだわ!」
「10台後半の男の子に奉仕させることを義務付けるなんて男性の総マゾヒスト化には絶対に必要なことよねえ・・・・私たちから見ればそれがむしろ当たり前のような気がするけど・・・・」
「私の理想はこうよ・・・・高校を卒業予定の男子生徒の顔、身体全体、ぺニスの写真、それと詳細なデータが記載されたリストが『奉仕者リスト』として毎年卒業シーズンになると全国のS女性に配られるの。
そして、女性が好みの高校生をピックアップして申し込めば、卒業式終了後にその高校生がまるで宅配の荷物のように送り届けられるの・・・・
後は、その子がMっ気のある子なら調教の手間が省けるし、まだMの悦びを知らない子なら、私に対する奉仕を通して私好みにみっちりと教え込んであげるわ!」
「ひとりで何人もの高校生を飼うこともできるようにしてほしいな・・・・。
私ならその子たちを競わせて、ランク付けして差別化して、上位ランクの子には特別なご褒美だってあげたいな・・・。
下位ランクの奴隷はトレード要員ね・・・・」
「まだ女を知らないウブな男の子を辱めながら、私が満足するまでゆっくりと奉仕させて、自由を奪ったまま追い詰めた獲物を犯してやるわ!」
「奉仕活動なんて、その子の肉体があればできることだもんね!特別な道具なんて何もいらないものね・・・・特別な道具が必要なのは女王様の方よね・・・・道具を駆使して自分好みの奴隷に仕上げるの・・・・」
「10代後半なんて、一番おいしい鍛え甲斐のある時期じゃない!・・・・別に法律作らなくてもやらせてる女王様だっているわよね!・・・・・いいなあ・・・・私もそんなかわいい奴隷がほしいなあ・・・・」
「フフフフ・・・・もし私たちに作らせてくれれば、世の中のM男ちゃんたちにとっては理想的な法律になるはずよ・・・・」
「・・・・でも、そうするには今の永田町じゃ無理よね・・・・せい子先生が総理大臣になれば絶対に可能でしょうけどね・・・・でもそうなれば私たちだって入閣できて、M男には不自由しないようになれるでしょうけどねえ・・・・国会で女性議員はボンテージファッションで身を固め、男性議員は首輪と・・・・かわいそうだから下着だけは着用を認めよう・・・・なんてね!」
「私はせい子との付き合いが長いからわかるけど、せい子なら絶対にやれるわよ!」
「・・・・私は自ら窮屈な総理大臣になりたいなんて思わないわ。私ならむしろ総理大臣はもちろんのこと、国会議員やお役人たちを全員を私の奴隷にして、絶対服従させて、私は前面に出ることなく、面倒なことを負担することなく、そんな奴隷たちを通してこの国の男たちを好きなように支配するわね・・・それに、男性議員にかわいそうだから下着の着用だけは認めるなんて、サディストとして責めが甘いわよ・・・・私なら、男性議員の上半身の衣類の着用だけは認めるわ・・・・つまりシャツとスーツのジャケットだけは着用を義務付け、下半身には下着の着用すら認めない・・・・すっぽんぽんで恥ずかしいイチモツを常に露出させるの・・・・そうそう、ネクタイはもちろん蝶ネクタイのみ着用可よ!」
「ねえ、せい子先生、その格好ってまずここで包けいクンを使って試してみません?」
ここで全員の視線が孝一に注がれ、どっと笑い声が上がった。彼女らからすると椅子に座ったままの姿勢で孝一を見下ろすことになる。せい子を交えてのサディスト講師たちの雑談の矛先が孝一に向けられた。
講師たちの間では、孝一は「包けい」と呼ばれていた。外部の人間がひとりでもいる場合には苗字で読んでもらえたが、外部の人間のいないところでは「孝一」という名前ですら呼んでもらえず、もっぱら「包けい!」と呼ばれていた。
「包けい!紅茶お代わり!」
「包けい!ちょっと脚を揉んで!」
「包けい!ムシャクシャするからおまえをぶってあげるわ!私が許すまで残業よ!」
といったふうに孝一は「サディスト講師全員の奴隷」として扱われていた。
もちろん、このような孝一の扱いはせい子がその専権事項として決めたことであり、孝一には講師らの命令に逆らうことなど許されていなかった。
