かさじぞうさんの作品「せい子第9-2話」

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ここはパーティー会場。

講師のうちの一人はせい子の大学時代の同級生で離婚歴のある女性であったが、その講師の父親が所有しているある別荘の一室。

ここは、まだ別荘地としては開発され始めたばかリの静かな山の奥深くにあり、建物としてはこの別荘と同じように依頼者の個性を反映させた外観を持つ別荘が点在するだけの場所であった。

ここから麓の街までは自動車でも30分近くかかるが、こんな場所だからバスなどの公共交通機関など無くこの別荘地にいるということは事実上陸の孤島に閉じ込められているということとと同じだった。

点在している別荘といっても、パーティーが行われたのは平日だったということもあり、この陸の孤島のような別荘地にいるのはせい子ら6人だけのようであった。

「開校記念パーティー」は、せい子ら講師5人と孝一との親睦と意思統一を目的として開催されたものであるが、6人全員が同一の機会にひとつの場所で顔を合わせたのはこの日が初めてだった。

パーティーの準備はせい子と孝一が行い、パーティーの進行役はせい子がつとめた。

せい子は、代表者としての自分の自己紹介とあいさつを終えると、残る5人にも順番に自己紹介をさせた。

孝一を除く4人の講師たちは、せい子の大学の同級生でバツイチの元英会話学校女性講師、、せい子の大学の後輩でこの春大学を卒業したばかりの22歳の女性、せい子がこれまで勤務していた高校の27歳の同僚女性教師、そして日本語をきちんとマスターしている25歳のアメリカ人女性という顔ぶれだった。

「この子は私のそばにいたいがためにそれまで勤務していた会社を辞めてここへ来たという、私の昔の教え子です。

教え子の当時から今までずっと私に憧れてますなんて言ってくれている一途でわいいやつです」

孝一が自己紹介を始めようとした直前にせい子は他の講師らに向かってこのように言い放った。

講師らからは驚きが半分と冷やかしが半分の歓声があがった。

「せい子、もうこの子を自分の物にしたの?」

せい子の大学時代の同級生という講師がせい子に尋ねた。

この講師はすでにせい子の性癖を知り尽くしており、ノーマルな旦那との生活よりもSMでマゾ男を調教する方を選んだことで旦那と離婚したという経歴を持つ女王様仲間でもあった。

初対面の人も多い状況の中ではさすがに「せい子、もうこの子を奴隷にしたの?」などと尋ねるわけにもいかず、無難だけれども知りたいことを察してもらえるような言葉を選んで尋ねたのだった。

「慌てなくてもそれはすぐにわかるわよ」

そう答えたせい子だったが、質問した側としては、付き合いの長さから、その答えで充分せい子と孝一の関係がわかった。

孝一はいつせい子からふたりの関係をばらされるかと内心ヒヤヒヤしながら自己紹介をし、皆の前でせい子に10年来憧れ続けてきたことも自白した。

しかし、せい子の許しをもらっていない以上、それ以上のことを言わないように自分のマゾ人格をなんとか押さえ込み、自己紹介を終えた。

テーブルを囲んでの立食形式による歓談が始まった。

孝一はいつせい子から関係をばらされるかとドキドキしながら歓談の輪に加わっていたが、せい子は孝一を普通の男性社員として扱ってくれた。

話題の中心はもっぱら孝一のせい子に対する恋患いに対する冷やかしだった。

特に孝一と同じ世代の若い講師らは、表面上は孝一の純粋さに感心していたが、実際は孝一の馬鹿さ加減に呆れていた。

せい子が人選した女性たちだけあって、講師たちが皆サディストであるということは会話の中で使う言葉や冷やかし方で、孝一にも容易に想像できた。

講師らが発する嫌味を含んだ冷やかしが、孝一には快感として受け取れた。

素人女王様としてM男調教の経験がある者、大学時代にSM愛好会という裏サークルで活動していた者、アメリカ人女王様として日本のSMクラブでプレイしてきた者、実際のプレイの経験はまだないがサディストでありSMに人一倍興味があり女王様の素質が充分な者、の4人が天性のマゾ男である孝一を酒の肴、いや、獲物にしている歓談は止まるところを知らない盛り上がりを見せ、知らない間に時間がどんどん過ぎて行った。

「みなさんにお見せしたいビデオがあります。

隣の部屋で上映準備ができていますから、部屋を移ってください。

飲み物も用意してあります。

この部屋の片付けは私と孝一でやります」

盛り上がったままの歓談の頃合を見計らって、せい子はこう切り出した。

そして、隣の部屋に4人の講師が集まったらビデオの再生を始め、再生が始まったらこの部屋の片付けを手伝いに戻ってくるように孝一に告げると、せい子はひとりで片付けを始めた。

孝一は、隣の部屋のソファに4人が揃ったことを確認すると、部屋の照明を少し暗めにしてビデオの再生を始めた。

もしかして自分の醜態を録画した調教ビデオではないかと内心ビクビクしながら再生ボタンを押した孝一であったが、その心配は外れた。

孝一はホッとしながら、せい子が片付けをしているパーティー会場へと戻った。

パーティー会場の大きなテーブルの横に、それまではそこに置いてなかったはずの、大きなテーブルより一回りほど小さいローテーブルが置かれていた。

ローテーブルの4つの脚からはそれぞれロープが出ていた。

脚にはストッパー付のキャスターが付いており、ローテーブルを少し押すだけでローテーブルごと移動させることができた。

「再生を始めたのね・・・・・・じゃあ、おまえは裸になってこのローテーブルの上で横になりなさい!」

せい子からそう命じられた孝一は、この部屋にはせい子と自分以外の誰もいないという安堵感もあってか、さっさと衣類を脱ぎ捨て、ローテーブルの天板の上に横たわった。

「フフフフ・・・・今4人が見ているビデオは、最初の3分程度は英会話のビデオだけど、そこから先は今までのおまえの変態ビデオのダイジェスト版になってるのよ。

ちょうど今頃始まったばかりだと思うわ。

4人と話をしておまえも察したと思うけど、あの4人は4人ともサディストよ。

マゾ男を弄ぶことには興味を持っているはずだわ・・・・ビデオを見終わった時の4人の顔が見ものだわ・・・おまえへの接し方がどう変わるかも楽しみね・・・・私はあの子たちにもおまえを自由に使ってもいいわよって言うつもりよ・・・・私の所有物であるおまえをレンタル奴隷としてあの子たちに貸し出すの。

将来はあの子たちだけじゃなくて生徒の中の希望者にもおまえを貸し出すつもりよ・・・・でもおまえを譲り渡したり売ったりはしないから安心しなさい・・・・おまえはあくまでも私の生涯奴隷なんだからね・・・」

そう言いながら、せい子は孝一をローテーブルに縛りつけた。

そして、恐怖と動揺を隠し切れない孝一の顔にたっぷりとツバを吐きかけ、ローテーブルを、菓子や飲み物を配置した大きなテーブルの下にすっぽりと隠れるように移動させた。

一見しただけではパーティー用の大きなテーブルの下に、ローテーブルに縛りつけられた孝一が隠されているということはわからなかった。

大きなテーブルのテーブルクロスも先ほどまでのものよりも一回り大きなものに取り替えられていて、テーブルの端から垂れているテーブルクロスの面積が先ほどまでのものよりも増えていた。

ローテーブルに張り付けられた孝一の存在が大きなテーブルとそのテーブルクロスによって隠れてしまって外からはわからないということを確認すると、せい子は、パーティー会場の照明を消して、ドアを閉め、4人がビデオを見ている部屋へと移って行った。

せい子・第9話・完(次回が最終回です)

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